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  • 2009.02.07 Saturday
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コレラの時代の愛 (Obra de Garcia Marquez (1985))

「コレラの時代の愛」読了。
やはりガルシア・マルケスは物語を自在に操る魔術師だった。
時代も場所も私がいる世界とは全く違うのに、なぜか全く違和感なく
物語の世界に溶け込むことができ、あっという間に読んでしまった。
時には、物語の中から花の香りまで漂ってきたり。

主人公フロレンティーノは今で言ったら或る意味ストーカーかもしれないけれど
愛する女性フェルミーナの夫が死ぬのをただひたすら待ち続け、
いつ来るとも分からない、フェルミーナと暮らす日々のために
自分の部屋を改築したり、自分が経営する会社の船にハネムーン用の豪華な部屋を作ったり、
はたまた、彼女と偶然に出くわした映画館で彼女と同じ空間で同じ空気を吸えるというだけで神様に感謝したり、彼女が一度だけ映った美しい高価な鏡を何とか手に入れたり、、
あまりにも不憫で胸が苦しくて泣けてくるような場面もありました。
でも、彼はなぜかいつも前向きで、決して諦めず、自分のことを振り返ってくれないフェルミーナを憎んだり、その夫を悪く思ったりすることもなく、決して自分の人生に卑屈にならず、ただ一つの目標のために生きる、その心の純粋さ、強さには脱帽。
本当の愛ってつまりそういうことなのか?と思ったり。

またいつかもう一度読み直してみたい本です。

どうでもいいけど、この本の背表紙の『コレラの時代の愛』の感じ、フォントも含め、
なんだかとても好き。

JUGEMテーマ:気になる書籍

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